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リモートワーク時代、新入社員の育成が変わる。
オンラインでも効果が出る研修やサポート体制とは

2021.05.18
イベントレポート

H¹Tでは人生経験シェアリングサービス『another life.』とタイアップし、働き方改革の最前線で活躍するゲストとこれからの働き方について考える『H¹T LAB~働き方改革最前線~』を定期開催しています。

第7回目となる本イベントのテーマは「リモートワークでの新人受け入れ」。ゲストは「VR内定式」を行うなど、先進的な取り組みをされている株式会社medibaで、コーポレート本部 副本部長を務める山内征宏さんです。今回は、山内さんに新型コロナウイルス(以下、コロナウイルス)禍で生じた新入社員育成の課題と解決策についてお話を伺いました。本イベントの様子をレポートします。

【ゲスト】

  • ・株式会社mediba コーポレート本部副本部長 山内 征宏氏

【モデレーター】

  • ・株式会社ドットライフ代表取締役社長 新條 隼人氏

新入社員の育成方法はコロナ禍でどう変わったのか

はじめに、新入社員の育成フローと目標について簡単に教えてください。

山内:medibaでは、新入社員のみなさんが1年後に社会人基礎力と当社の社員としての型を身につけ、先輩や上司のフォローの元で業務遂行できるようになることを目標に置き、育成カリキュラムを組んでいます。

育成カリキュラムは時期に応じて、大きく3段階に分けています。

まず入社して2か月間は、社会人としての心構えやマナーなどの基礎知識に加え、会社の方針や組織の理解を深めてもらうため基礎研修を実施。

6月から半年間は、各配属先で必要となるスキルや経験がつめるよう配属先の上司と相談しながら研修内容を決めていきます。研修で学んだことをもとに、配属先で能動的に業務へ取り組める状態をつくってあげたいという想いが背景にありますね。

最後の3か月間では、主に業務遂行力を高める研修を行い、2年目に向けた準備をしていきます。


medibaでは1年間を3つのフェーズに分け、育成ゴールを設定しているという。

コロナウイルスの感染拡大で、対面での研修やサポートが難しくなってしまったと思いますが、なにか影響はありましたか?

山内:ありましたね。

当然ですが対面を前提にカリキュラムを考えていたので、全てオンラインで実施できるように急いで再構成しなくてはいけませんでした。外部に委託していた研修もあったので、オンラインで対応してもらえるのか、別の会社の研修も導入した方がいいのかなど検討することが多かったですね。とにかく時間との勝負でした。

研修の内容も変わりましたか?

山内:はい、配属後もオンラインで業務をすることが分かっていたため、ZoomやTeamsなどオンラインツールの使い方をレクチャーしたり、実際にツールを利用しアウトプットする練習をしたり、研修内容も大幅に変更しましたね。

他にも、研修中の「日直制度」を導入。日替わりで新入社員のなかから1名日直を決め、朝・夕礼のファシリテーターや日々のスケジュール管理などを行うもの。自立心を高めることを狙い新たに追加しました。

フルリモートで新人教育、新たな課題と施策とは

オンラインでの新人受け入れは初の試みとのことでしたが、何か課題はありましたか?

山内:大きく分けて4つの課題がありました。

1つ目は、新入社員がリモートワークに対応できるかどうかということ。そもそもパソコンやインターネットなどが自宅になく、リモートワークできる環境が整っていない場合もあります。

2つ目に、新入社員同士のコミュニケーションが不足しないかということ。意図的に余白をつくらないと、新入社員同士での雑談が生まれないのではと感じました。

3つ目に、出社をしない状況で、モチベーションを維持できるのかということ。入社から2か月間は基礎研修がメインで、話を聞いている時間が多いです。しかも周りの目がない在宅勤務ですから、非常に意欲を削がれやすいのではないかと。

最後に、先輩社員が働く姿を見ずに、仕事をするイメージがつかめるのかという課題。配属後のイメージを持ってもらうためにも、いかに現場で働く先輩社員たちと接点を持ってもらうか、業務のイメージを伝えるかが課題でした。

medibaさんに限らず、さまざまな企業で起こりうる課題ですね。それぞれどのような対策をしたのでしょうか?

山内:まず、1つ目の課題に対しては、入社前に自宅のインターネット環境などリモートワークができる設備が揃っているかヒアリングしました。回答に応じて、必要なスペックを満たしたパソコンを配布したり、Wi-fi環境が整っていない人にはモバイルルーターを貸し出したり。全員が足並みを揃えてスタートできるようにサポートしました。

2つ目のコミュニケーション課題に対しては、グループワークを多く取り入れるほか、自己紹介タイムを長めにとったり、パソコンのカメラをオンにするよう声をかけたり、細かいことですが新入社員がお互いのことを知れるよう工夫をしました。そのほか、雑談ができるよう研修中にあえて自由時間を設定しましたね。

その雑談時間は、研修チームがファシリテートしたり、話すフォーマットを決めたりしたのでしょうか。

山内:いいえ、私たちは枠を用意するだけです。新入社員たちにお任せしましたが、自然とコミュニケーションを取ってくれていたように思います。

次に3つ目のモチベーション維持の課題に対しては、オフラインで行っていた研修よりも、アウトプット重視のカリキュラムに再構成しました。そのなかで「テーマチャレンジ」という企画には工夫を凝らしましたね。新入社員が先輩社員に事業についてインタビューを行い、記事を執筆するものです。弊社ではサービスのユーザーや関係者にインタビューをよく行うため、その疑似体験もかねています。

また、研修中の表情や毎日の振り返りが書かれた日報などをみて、理解度のチェックや感情の変化を観察。もし気になる点があればすぐに本人へ確認をし、不安や悩みを抱え込まないよう働きかけをしていました。ここを丁寧にフォローすると、モチベーション維持やメンタルヘルス対策へとつながっていきますね。


mediba社では毎年、新入社員のカスタマージャーニーを描き、施策を組み立てているという。

フォローアップ担当の方がいらっしゃったんですか?

山内:はい、研修チームから1名フォローアップ専任の担当をつけていました。

最後、働くイメージの持ちにくさを改善する施策について。先ほど申し上げた「テーマチャレンジ」で先輩社員の働く様子を聞いてもらうことが一つ。また先輩社員に新入社員の日報のフィードバックもお願いしました。さらに先輩社員とのランチ会も開催。多面的に先輩社員と触れ合う時間をつくりましたね。

効果や反響はいかがでしたか?

山内:新入社員に対して、オンライン研修やサポートに関するアンケートを取ったところ、ほとんどの社員が「今後の仕事に活かせる」「来年以降の新入社員にも受けてほしい」と高く評価してくれました。

限られた時間で手探りながらも狙い通りの成果を出せたことは、私たちにとっても大きな自信になっています。

社員がモチベーション高く働き続けられる環境を

まもなく新しい年度が始まりますが、今後の展望について教えていただけますか?

山内:この1年間で取り組んだ施策をしっかり効果測定し、来年度以降もブラッシュアップした研修や育成カリキュラムをオンラインで提供できるよう進めていきたいと思っています。

一方で、週1〜2回程度は出社をしてもらうことも検討中です。とくに技術的な指導は、実際の職場環境で行った方が効果が高いのではと感じています。

ここからは、参加者からいただいた質問にお答えいただきたいと思います。1つ目のご質問は、「2年目社員のケアで意識されていることはありますか?」。いかがでしょうか?

山内:2年目になると、後輩に対する焦りというよりも、同期を意識し始める人が増えてくる印象ですね。成長スピードには個人差があるので。

ですからヒアリングを実施し、各々の足りないスキルや目指すものを洗い出す作業をします。それをもとに新入社員の上司と相談し、適切な施策や研修を実施し、効果測定や再構成を繰り返していく。

こうして丁寧にフォローすることで、同期同士のレベル差を埋めながらモチベーションも一緒に上げていくことができると思っています。

2つ目の質問です。「テレワーク時代でのチームビルディングのあり方についてお考えをお聞かせください」とのことですが、いかがでしょう?

山内:前提として、私はチームビルディングは対面の方が効果的だと考えています。ただ、今回オンラインで部下と1on1をした際に気がついたことは、録画して何度も見返すことができるというメリット。

対面では、一瞬で相手の表情や声のトーンなどから感情を読み取らなければいけません。しかし録画であれば、自分の発言に対して顔が曇った瞬間や逆に目を輝かせたキーワードなども見逃すことなく捉えることができるんです。これによって、今後の対応やフォローの仕方もより緻密な内容にすることができますよね。

こうしたオンラインと対面のメリットを掛け合わせた新しいチームビルディングの形に、大きな可能性を感じています。

ありがとうございました。最後に、一言お願いします。

山内:私たちは「ヒトに"HAPPY"を」という経営理念を掲げており、社員自身もも同じくHAPPYであるべきだと思います。そのためには、会社側がいかに気持ちよくモチベーション高く働ける環境を用意するかが重要です。

そのためには、研修チームが事業部側に一歩踏み込んで、サポートを考えたり実施したりすることが重要。2020年は、オンラインでの新人受け入れという初めての経験でしたが、事業部のやるべきことを研修チームが代わりに担ったり、逆に研修や施策に積極的な参加をしてもらったり、研修チームと事業部が連携してサポートできたことは非常によかったと感じています。

今後も社員に働き続けたいと思ってもらえるよう、サポートを充実させていきたいですね。

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今後もH¹Tは『H¹T LAB~働き方改革最前線~』を定期開催し、様々な切り口からワーカー本位の働き方について考える場を作ってまいります。